ヨーロッパ、海に沈んだ幻の大地[#takaue55]

現在の英国があるブリテン諸島はかつて、ヨーロッパ大陸と地続きで、そこには人が暮らしていた。だが、気候の温暖化にともなって徐々に海面が上昇し、その大地「ドッガーランド」は海に沈んだ……。失われた大地の手がかりが、北海の海底から見つかり始めたとき、誰もその存在を信じようとはしなかった。海底から最初に痕跡が見つかったのは、およそ150年前。オランダ沿岸部でビームトロールという漁法が広まったころだ。漁師たちは重りをつけた漁網で海底をさらい、主にカレイやヒラメなどを捕っていた。だが時々、巨大な動物の牙が網にかかることがあった。ウシ科のオーロックスや、ケサイというサイの仲間など、すでに絶滅した動物の骨も見つかった。

 

英国セバーン川の河口で、ツルの足跡の型を取る考古学者のリサ・スネイプ=ケネディ。ツルはドッガーランドの人々の貴重な栄養源だったようだが、現在、英国ではめったに姿を見ない。(Robert Clark/National Geographic)

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その数十年後、ディック・モルという裕福なアマチュア古生物研究者が現れた。彼は網にかかった骨を持ち帰るよう漁師たちに頼み、それを見つけた海域の座標も記録させた。1985年、モルのもとに、すり減った臼歯が残る人間のあごの骨が持ち込まれた。アマチュアの研究者仲間、ヤン・グリメルフェーンとともに、状態の良いその骨を放射性炭素年代測定法で調べたところ、9500年前のものであることが判明した。つまり、骨は中石器時代の人間のものだったのだ。ヨーロッパ北部における中石器時代は、最後の氷河期の末期に当たるおよそ1万2000年前から6000年ほど続いた。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20121215/334061/?rt=nocnt

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